ツタンカーメン本人に会うのに、いくらまで出せますか。王家の谷の答えは、追加で約2,200円でした。
基本のチケット1枚で入れるのは3基まで。ツタンカーメンの墓もラムセス5世・6世の墓も、そこに1基ずつ買い足していく仕組みです。ただ実際に入ってみて一番心が動いたのは、2,200円払った墓ではありませんでした。
そして現地で気づいたことがひとつ。見る順番を間違えると、あとから見る墓の感動が確実に薄れます。私たちはその順番を間違えました。
モク
むぎこの記事でわかること
- 王家の谷のチケットの仕組みと、2026年8月時点の料金一覧
- 追加料金を払うならどの墓が本命か(結論はラムセス5世・6世)
- ツタンカーメンの墓の中は実際どうだったか(ミイラ・広さ・壁画)
- 感動を半減させない見る順番と、私たちが失敗した実際の回り方
- 入口から墓のエリアまでの移動手段「タフタフ」の正体
- 所要時間と混雑の実際(写真のタイムスタンプで検証)
- 支払い方法・撮影可否など、行く前に知っておきたい細かいルール
王家の谷のチケットは「基本1枚+買い足し」方式【2026年8月時点】
王家の谷でまず理解しておきたいのが、チケットが2段構えになっていることです。
基本のエリアチケットを1枚買うと、公開されている王墓のうち3基までを自分で選んで見学できます。そして保存状態が特に良い一部の墓は、この3基の枠に含まれません。ツタンカーメン、ラムセス5世・6世、セティ1世の3つがそれで、入りたければ1基ずつ追加チケットを買い足す形になります。
| チケット | 料金(EGP) | 円換算の目安 | 含まれるもの |
|---|---|---|---|
| 基本のエリアチケット | 750 | 約2,300円 | 公開中の王墓から3基 |
| ラムセス5世・6世(KV9) | 220 | 約680円 | 1基のみ |
| ツタンカーメン(KV62) | 700 | 約2,200円 | 1基のみ |
| セティ1世(KV17) | 2,000 | 約6,200円 | 1基のみ |
| タフタフ(電動トラム) | 20 | 約60円 | 入口と墓エリアの移動 |
現地では基本チケットで入れる3基を「無料枠」と呼ぶ人もいますが、正確には無料ではなく、基本チケットにあらかじめ含まれている3基分という意味です。なお今回、セティ1世の墓(KV17)には入っていません。追加2,000EGP・約6,200円という金額は、ほかの追加チケットとは桁がひとつ違います。
私たちは1日ツアーで参加したため、基本のエリアチケットはツアー代金に含まれていました。追加の墓の分は現地でカード払いができました。ギザのピラミッドが現金不可でカードのみだったのとは逆に、ここは選択肢がある形です。ルクソール1日の全体の流れはルクソール観光モデルコース|1日で回った実際の順番にまとめています。
王家の谷のおすすめの墓はラムセス5世・6世(KV9)|追加220EGP
先に結論を書きます。追加料金を1つだけ払うなら、ラムセス5世・6世の墓(KV9)です。追加220EGP、日本円で約680円。この記事でいちばん伝えたいのはこの1行かもしれません。
入った瞬間の感想が「これ、レプリカなんじゃないか」でした。天井画も壁画も、保存状態がほかの墓と比べものになりません。3,000年前に塗られた青と金が、ついこの前塗り直したような濃さで残っています。目を疑う、という言葉をこんなに素直に使ったのは久しぶりでした。
通路が長く、奥に向かってまっすぐ下っていく構造も気持ちがいい。両側の壁がぎっしり文字と絵で埋まっていて、歩きながら顔を上げ続けることになります。天井には夜の空を表す図が描かれていて、暗い地下にいるのに空を見上げている、という不思議な感覚がありました。
コストパフォーマンスという言葉が正しいのかは分かりませんが、680円でこの体験ができるのは相当に安いと感じます。追加料金の墓を1つに絞るなら、迷わずここです。
ツタンカーメンの墓(KV62)は700EGP|「本人に会う」ためのチケット
では、いちばん高い部類のツタンカーメンの墓(追加700EGP・約2,200円)はどうだったか。
モク
むぎ中はかなり質素。装飾があるのは玄室の壁だけ
まず広さ。ほかの王墓のような長い下り通路はなく、あっという間に見終わる規模です。装飾もほとんどありません。壁画があるのは玄室の四方の壁だけで、そこ以外は掘ったままの岩肌がむき出しになっています。
ツタンカーメンは若くして急死したため、墓の準備が間に合わなかったと言われています。実際に立ってみると、その説明が体感として腑に落ちました。王としての格ではなく、時間が足りなかった墓という印象です。
ミイラはガラスケースの中。見た瞬間は正直こわかった
それでも、この墓には決定的なものがあります。ツタンカーメン本人のミイラが、いまもこの部屋にあることです。
ガラスのケースに入っていて、全身が見える状態です。ただし体には布がかけられていて、露出しているのは頭部と足元だけ。見た瞬間の第一印象は、正直に言うと「こわい」でした。じっと見ていると、こちらの生気のほうが抜き取られていくような感覚がありました。
ちなみに、ツタンカーメンといえば思い浮かぶ黄金のマスクはここにはありません。マスクはカイロ郊外の大エジプト博物館(GEM)の展示品です。詳しくは大エジプト博物館の所要時間|30分しかなくて後悔した話を参照してください。墓にあるのは本人、博物館にあるのが副葬品、と覚えておくと混乱しません。
2,200円が高いか安いか。壁画目当てなら高い。本人に会いに行くと考えるなら、払う価値はあります。私はもう一度エジプトに行っても、たぶんまた払います。
基本チケットで入れる3基は物足りないのか
私たちが基本チケットの枠で入ったのは、ラムセス3世・ラムセス4世・ラムセス9世の3基でした。
結論から言うと、この3基だけでも十分すごいです。彫りは深く、色も残っていて、日本で見られるものではまったくありません。もしエジプトに来て最初に入った地下がここだったら、間違いなく感動していたはずです。
ただし——追加料金の墓を先に見てしまうと、話が変わります。ここが次の章の本題です。
見る順番を間違えると感動が半減する|私たちは逆をやりました
王家の谷でいちばん伝えたい実用情報が、この見る順番です。答えはシンプルで、基本チケット枠の3基を先に見て、追加料金の墓を後に回す。これだけです。
なぜかというと、私たちがちょうど逆をやってしまったからです。写真のタイムスタンプで当日の動きを振り返ると、こうなっていました。
| 時刻 | 行動 |
|---|---|
| 8:35 | 入口のビジターセンター。谷全体の立体模型を見学 |
| 8:45 | チケットを受け取る |
| 8:49 | タフタフに乗って谷の奥へ(3分ほど) |
| 8:58〜9:12 | 谷を歩きながら墓の案内板を確認 |
| 9:23〜9:29 | ツタンカーメンの墓(追加700EGP) |
| 9:34〜9:48 | ラムセス5世・6世の墓(追加220EGP) |
| 9:51〜10:09 | 基本チケット枠の3基 |
| 10:29 | 出口へ |
追加料金の2基を先に消化して、基本チケットの3基を最後に見た。この順番だと何が起きるかというと、最後の3基が「さっきのに比べると……」という見え方になってしまうんです。単体で見れば十分すごい墓なのに、直前の記憶が強すぎて正当に評価できない。もったいない見方をしてしまいました。
逆にしていたら、基本チケットの3基でしっかり感動して、そのうえで「上には上がある」という体験ができたはずです。同じ料金を払って得られる満足度が変わるので、ここは意識して順番を組む価値があります。
ちなみに、王家の谷で基本チケットの3基だけ見て帰る人も実際にいました。それも一つの選び方ですが、220EGP・約680円でラムセス5世・6世に入れることを考えると、個人的には本当にもったいないと思います。
入口から墓のエリアまではタフタフ(電動トラム)で移動する
チケットを買う入口エリアと、王墓が並ぶエリアは少し離れています。この区間を走っているのが、現地で「タフタフ」と呼ばれる屋根つきの電動トラムです。見た目はトゥクトゥクを長くしたような乗り物で、ベンチ状の座席が並んでいます。
乗車時間は3分ほど。料金は往復20EGP(約60円)が目安です。情報サイトによっては片道20EGPと記載しているものもあるため、現地で確認してください。歩けない距離ではありませんが、日差しを浴びる時間を短くできるので乗る価値はあります。
なお王家の谷は墓の中に入ってしまえば暑さをほとんど感じません。外の気温が40度近くあっても、地下は別世界のように涼しい。きついのは墓と墓のあいだの移動です。この日、私はルクソールで完全に脱水症状の一歩手前まで行っているので、水分についてはエジプトの熱中症対策|4リットル飲んでトイレに行かなかったもあわせて読んでもらえるとうれしいです。
所要時間と混雑|1時間30分で足りるのか
体感では1時間30分ほどの滞在でした。ただ写真のタイムスタンプで数え直すと、ビジターセンター到着の8:35から出口の10:29まで、実際には約1時間55分いたことになります。5基まわって2時間弱、というのが一つの目安です。
混雑は、朝の時間帯であればそこまでではありませんでした。ツタンカーメンの墓だけは人が集まっていましたが、それでも順番待ちで前に進めないような混み方ではなく、自分のペースで見ることができています。
- 朝いちばんが正解:暑さも人も、時間が経つほど増えます
- 墓の中は撮影OK:ツタンカーメンのミイラも撮影できました
- 5基で2時間弱:もっと入るなら、その分の時間を上乗せする
- 日陰は墓の中だけ:谷を歩いているあいだは遮るものがありません
よくある質問(FAQ)
Q. 王家の谷で追加料金を払うなら、どの墓がおすすめですか?
A. ラムセス5世・6世の墓(KV9)です。追加220EGP・約680円と安いのに、壁画と天井画の保存状態が群を抜いています。予算に余裕があれば、そこにツタンカーメンの墓を足す形が満足度が高いと思います。
Q. 基本チケットだけでも楽しめますか?
A. 十分楽しめます。基本チケットの3基も彫りが深く色も残っていて、それ単体なら文句なしの見応えです。ただ追加料金の墓を見てしまうと差を感じるので、その場合は見る順番に注意してください。
Q. ツタンカーメンの墓の中に黄金のマスクはありますか?
A. ありません。墓にあるのはツタンカーメン本人のミイラで、黄金のマスクをはじめとする副葬品は博物館の展示になっています。
Q. 王家の谷の墓の中で写真は撮れますか?
A. 撮影できました。ツタンカーメンのミイラも含めて撮影可能です。ただしフラッシュや三脚などのルールは墓ごとに掲示があるので、入口の表示に従ってください。
Q. 追加チケットはどこで買いますか?現金が必要ですか?
A. 現地の窓口で買い足す形です。私たちが行ったときはカード払いができました。ただしエジプトの観光施設は支払い方法が施設ごとに違い、変更もあるため、現金も少額は持っておくと安心です。
Q. 王家の谷の所要時間はどれくらい見ておけばいいですか?
A. 墓を5基まわって約1時間55分でした。基本の3基だけなら1時間強、じっくり見るなら2時間半を見込んでおくと余裕があります。
まとめ
- 王家の谷のチケットは基本1枚(750EGP)で3基+1基ずつ買い足しという仕組み
- 追加料金を1つだけ払うならラムセス5世・6世(220EGP・約680円)が本命。保存状態が別格
- ツタンカーメンの墓(700EGP)は質素だが本人のミイラに会えるのが価値
- 基本チケット枠→追加料金の墓、の順で見る。逆にすると後半の感動が確実に薄れます
- 入口から墓エリアはタフタフで3分。滞在は5基で約1時間55分、朝いちばんが快適
王家の谷は、払う金額よりも払う順番で満足度が変わる珍しい場所でした。これから行く人は、ぜひ基本チケットの3基から始めてみてください。
この日の様子、Instagramにも投稿しています📸

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